Category Archives for Master piece

Louise Bourgeois (1911-2010, born in France, worked in USA)

ハーグの市立美術館で開催中の展示、Louise Bourgeois and Hans Bellmer をみてきました。ルイーズ ブルジョア(ワ)の作品がとても良かった!テイトモダンで回顧展(2007)をやるほどのアーティストを初めて知るというのは面目無い事でございます..。 フランス生まれですが名声を得たのはアメリカに移住した後の事。アメリカの作家としてとりあげるのが常のようです。幼少期の、一家を牛耳る抑圧的な父親に対する感情や、その父親と家庭教師の公然の情事や、それについて無力に見て見ぬ振りの母親の記憶からくる裏切り、トラウマ、嫉妬がセクシュアルなモチーフの背景にあります。数多く残される布を用いたスカルプチャーの手法も実家の経営していたタペストリーの修繕屋での体験からきているそうです。 ピンク色の布製の手足や頭部を失った女性のスカルプチャーや、男性女性の特徴的な身体のパーツを一つのオブジェクトにくみこませて強調させたオブジェクト等が多く並ぶのだけれど、女性の権利を声高に主張するようなフェミニストの作品とは絶対的に違う、なにかこう、困惑というのか、純粋無垢な感じが、皮肉めいたオブジェクトからしみ出してくるような感じがした。多分かなりセンスのあるタイトルも関係していると思います。 ドローイング、版画や様々な素材の彫刻と一つの作風にとらわれるのでなくて、今年の3月に98歳で亡くなる2日前まで、幅広く性欲的に活動をしていたそうです。最後のドローイングのシリーズは原点回帰というかんじでとてもよかった。 それで最後に、この作品の作者です、六本木ヒルズにもある巨大な蜘蛛の彫刻。 タイトルは”ママン”、 自身のお母さんのシンボルで、26個の大理石の卵を持っているそうだ。   やっぱり作家のバックグラウンドを知ると自分の中で作品の深みがぐっと増すから、面白いし、重要ですね。 いやーよかったです。

04. October 2010 by Nishiko
Categories: Master piece, Nishiko, Sculpture, USA | Leave a comment

Ilya Kabakov (Russia, 1933)

日本でも妻有のトリエンナーレはじめ、いろんなアートフェスティバルに頻出のカバコフ、今は夫婦でデュオで活動して、きれいなサイトスペシフィックなインスタレーション、特にパブリックスペースでの発表が多いように思います。それもとても好きなんだけど、一番好きなのは、コレ!”The Man Who Flew into Space/宇宙に飛び立った男”というタイトルだけど、男は飛び立った後なのでいないところが絶妙!かなりの勢いで飛び立っていったとお見受け致します。1968年の作品だそうで、60年代の宇宙ブームにのってでしょうか。当時のソビエト連邦の制約の為にやりたかった作品展示が難しくて、妥協案で作った作品らしいけれど、そんな事みじんも感じないよー! 他の作品で好きなのはハエになるシリーズ、あと、昔森美術館でみた巨人の人々のための展覧会(写真下)もすごい良かったんです。 大物アーティストがウェブサイトを持っているのを発見した瞬間が好きです。Ilya & Emilia kavakov website http://www.ilya-emilia-kabakov.com/

22. August 2009 by Nishiko
Categories: Contemporary, Installation, Master piece, Russia | 2 comments

Ulay + Marina Abramovic (Germany, 1943/Yugoslavia,1946)

Marina Abramovic は母どころではすまずに、パフォーマンスアートの祖母、といわれているらしい。彼女の作品はパフォーマンスとオーディエンス、肉体の限界、精神の可能性の探求。Ulayとのコラボレーションは、男女のDuoでしかできなさそうなことをやっていてすごい強く伝わってくると思う。直球シュール勝負。かっこいいっす。

11. July 2009 by Nishiko
Categories: Germany, Master piece, Performance, Yugoslavia | 3 comments